おうち陶芸のススメ

【作品完成まで】おうち陶芸、乾燥と焼成の疑問を解消!初心者向けガイド

Tags: おうち陶芸, 乾燥, 焼成, 初心者向け, 作品完成

作品が形になったら次は何をする?乾燥と焼成の基本を知りましょう

自宅で思い思いの形に作品を作り終えたとき、「この後どうすれば完成するのだろう?」と疑問に思われるかもしれません。陶芸作品を実際に使えるようにするためには、「乾燥」と「焼成」という大切な工程が必要です。

特に陶芸が初めての場合、これらの工程について具体的なイメージが湧きにくく、少し不安に感じられることもあるかもしれません。しかし、ご安心ください。ここでは、作品を完成させるために知っておきたい乾燥と焼成の基本的な知識と、初心者の方が自宅で無理なく進められる方法について、分かりやすくご説明します。

STEP 1:作品をゆっくり丁寧に「乾燥」させる

作品が形作られた直後の粘土には、たくさんの水分が含まれています。この水分が残ったまま焼成すると、窯の中で急激に水蒸気となって膨張し、作品が割れたり壊れたりする原因となります。そのため、焼成の前に十分に乾燥させることが非常に重要です。

乾燥のポイント

乾燥の目安

作品がしっかりと乾燥すると、見た目の色が少し白っぽく変化し、触った感じもひんやりした湿り気がなくなり、カチカチとした硬さになります。持ったときにずっしりとした重さから少し軽くなったように感じられることもあります。この、水分が完全に抜けて硬くなった状態の粘土を「生乾き(きびき)」や「完全乾燥」と呼びます。

STEP 2:作品に強度を与える「焼成」

十分に乾燥させた作品は、いよいよ窯で焼成する工程に進みます。焼成は、粘土を高温で焼き固めることで、作品に強度を与え、水漏れしない丈夫な陶器にするための最終工程です。

自宅での焼成は可能?

小型の電気窯なども市販されていますが、窯は高価であり、設置場所の確保や電気工事、操作方法の習得など、初心者の方が自宅に導入するにはハードルが高いのが現状です。温度管理も非常に専門的な知識を要します。

初心者におすすめの焼成方法

自宅に窯がない場合でも、作品を焼成する方法はいくつかあります。初心者の方には、主に以下の方法がおすすめです。

  1. 陶芸教室や公共の窯を利用する:

    • 多くの陶芸教室では、外部の方のために作品の焼成を受け付けています。料金は作品の大きさや重さで決まることが一般的です。
    • 自治体によっては、公共の施設に窯が設置されており、安価に利用できる場合があります。
    • メリット: 専門家が焼成してくれるので安心。設備投資が不要。
    • デメリット: 持ち運びの手間がかかる。利用できる場所が限られる場合がある。
  2. 窯業を営む業者に依頼する:

    • 陶磁器の製造などを専門とする業者の中には、個人からの焼成依頼を受けているところもあります。
    • メリット: プロの設備と技術で焼成してもらえる。
    • デメリット: 依頼できる業者が少ない場合がある。料金は教室などより高めの場合がある。

焼成は通常、「素焼き」と「本焼き」の二段階で行われます。素焼きで作品を軽く焼き固めた後、釉薬(ゆうやく:作品に色をつけたり、ガラスのような光沢を与えたりする薬品)を施し、さらに高温で本焼きを行います。釉薬を使わない「焼き締め」という方法もあります。

作品を預ける際は、素焼きか本焼きか、釉薬の有無などを正確に伝える必要があります。利用する施設や業者に、事前に料金体系や作品の預け方、受け取り方などをしっかりと確認しましょう。

乾燥と焼成を経て、いよいよ作品完成!

作品が十分に乾燥し、窯での焼成を経て冷却されると、ようやく完成です。自分が粘土から形作ったものが、丈夫で美しい陶器になる過程は、何度経験しても感動的なものです。

初めての陶芸では、乾燥中にひび割れてしまったり、焼成で思ったような仕上がりにならなかったりすることもあるかもしれません。しかし、それも陶芸のプロセスの一部であり、経験を重ねることで少しずつ粘土の扱いや乾燥のコツが分かってきます。

自宅でじっくりと作品を作り、乾燥させ、外部のサービスを利用して焼成する。この一連の流れを経験することで、おうち陶芸の楽しさはさらに深まります。失敗を恐れずに、ぜひ作品完成までの道のりを楽しんでみてください。