【簡単スタート】おうち陶芸はキットから!失敗しない最初の選び方
おうちで過ごす時間が増え、何か新しい趣味に挑戦してみたいとお考えの方にとって、陶芸は魅力的な選択肢の一つでしょう。土に触れ、無心になってものづくりをする時間は、日々の忙しさから離れ、心をリフレッシュさせてくれるかもしれません。
しかし、「陶芸を始めてみたいけれど、何から手をつけたら良いか分からない」「必要な道具や材料を揃えるのが大変そう」と感じて、最初の一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな初心者の方に特におすすめしたいのが、「おうち陶芸キット」です。この記事では、おうち陶芸キットの種類や選び方、メリット・デメリットについて、分かりやすく解説します。
おうち陶芸キットとは?
おうち陶芸キットとは、自宅で気軽に陶芸作品作りを楽しめるように、必要な材料や道具、説明書などがセットになった商品です。多くの場合、以下のようなものが含まれています。
- 陶芸用粘土
- 基本的な成形道具(へら、かきベラなど)
- 説明書や作り方ガイド
- (キットによっては)焼成(焼き上げ)サービス券や釉薬
これらのキットを利用すれば、道具を一つずつ選んで揃える手間なく、すぐに作品作りを始めることができます。
なぜおうち陶芸キットが初心者におすすめなのか
おうち陶芸キットが初心者の方に特におすすめできる理由はいくつかあります。
- 手軽に始められる: 必要なものが全て揃っているため、「何が必要か」と悩む必要がありません。キットが手元に届けば、すぐに作業を開始できます。
- 費用が明確: キットとして販売されているため、かかる費用があらかじめ分かります。初期費用を抑えたい方にも安心です。
- 始めやすい粘土や道具が選ばれている: 初心者でも扱いやすい種類の粘土や、最低限の基本的な道具がセットになっていることが多いです。
- 分かりやすい説明書: 作品の作り方や乾燥方法などが丁寧に解説されているため、初めての方でも手順に沿って進めることができます。
- 焼成までサポートしてくれるものも: プロの窯で焼き上げてもらえるサービス券が付いたキットもあり、自宅での焼成が難しい方でも本格的な作品を完成させられます。
おうち陶芸キットの主な種類
おうち陶芸キットに使われる粘土には、主に以下の3種類があります。それぞれ特徴が異なりますので、ご自身の目的や環境に合わせて選びましょう。
1. オーブン粘土キット
家庭用のオーブンレンジを使って、比較的低温で焼き固めることができる粘土のキットです。
- 特徴: 特殊な粘土で、一般的な家庭用オーブンで焼成できます。本焼きのような強度はありませんが、実用品でない小物やアクセサリー、飾り物を作るのに適しています。
- メリット: 自宅で手軽に焼成まで完結できるため、追加の費用がかかりません。思い立ったらすぐに作品を完成させられます。
- デメリット: 強度が低く、食器など実用品には向きません。焼成時に独特の匂いが発生することがあります。
- 向いている方: まずは気軽に陶芸の雰囲気を味わいたい方、自宅で全て完結させたい方。
2. 自然乾燥粘土キット
焼成の必要がなく、空気中で自然に乾燥させるだけで固まる粘土のキットです。
- 特徴: 焼かずに固まります。水に弱い種類が多いですが、ニスなどでコーティングすることで多少の耐水性を持たせられるものもあります。
- メリット: 最も手軽で、焼成の手間や費用が一切かかりません。小さなお子様との工作にも適しています。
- デメリット: 強度が非常に低く、壊れやすいです。食器など実用品には全く向きません。
- 向いている方: 焼成環境がない方、費用をかけずに本当に手軽に試したい方、工作感覚で楽しみたい方。
3. 本焼き粘土 + 焼成サービス券キット
陶芸教室やプロの窯元などに作品を送って、本格的な高温で焼き上げてもらう「本焼き」ができる粘土と、焼成サービス券がセットになったキットです。
- 特徴: 実際に陶芸で使われる本格的な粘土で作品を作ります。完成後は食器として使えるくらいの強度と耐久性があります。
- メリット: 自宅にいながら、本格的な陶芸作品を完成させることができます。実用品(器など)を作りたい場合に適しています。
- デメリット: 完成までに時間がかかります(作品を送付し、焼成されて戻ってくるまで数週間〜1ヶ月程度かかる場合があります)。焼成サービス券には回数やサイズ制限があることが多いです。
- 向いている方: 本格的な器など、実用品を作ってみたい方。自宅に焼成できる窯はないけれど、本格的な焼成を体験したい方。
初心者向けおうち陶芸キットの選び方
たくさんあるキットの中から、ご自身に合ったものを選ぶためのポイントをご紹介します。
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何を作ってみたいかを考える:
- 日常使いの器を作りたいなら「本焼き粘土 + 焼成サービス券」のキットが良いでしょう。
- アクセサリーや飾り物など、実用性よりも形を作ることを楽しみたいなら「オーブン粘土」や「自然乾燥粘土」のキットが手軽です。
- まずは「手びねり」で簡単な形から挑戦したいのか、「たたら作り」でプレート状の作品を作りたいのかなど、作りたい技法がイメージできていると、それに適した粘土や道具が含まれているかを確認できます。
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焼成方法を確認する:
- 自宅のオーブンで手軽に済ませたいのか、業者に依頼して本格的に焼きたいのかによって選ぶキットが変わります。
- 焼成サービス券付きのキットを選ぶ場合は、サービスの内容(何点まで焼けるか、送料は自己負担か、釉薬は含まれるかなど)を必ず確認しましょう。
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セット内容を確認する:
- 粘土の量、含まれている道具の種類(使いたい技法に適した道具があるか)、説明書の分かりやすさなどをチェックします。
- 釉薬が含まれているかどうかも、作品の仕上がりを左右する重要なポイントです。初心者向けの扱いやすい釉薬が含まれていると、彩色にも挑戦しやすくなります。
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予算を考慮する:
- キットの価格帯は様々です。手軽なものなら数千円から、焼成サービス付きの本格的なものだと1万円を超えるものもあります。ご自身の予算に合わせて選びましょう。
まずはキットで、おうち陶芸を始めてみませんか?
「おうち陶芸」は、特別な場所に行かなくても、自分のペースでじっくりとものづくりに没頭できる素晴らしい趣味です。最初のハードルを越えるために、おうち陶芸キットは強力な味方になってくれます。
キットを使えば、道具や材料を揃える不安から解放され、すぐに陶芸の世界に飛び込むことができます。初めての作品作りは、想像通りにいかないこともあるかもしれません。しかし、それもまた陶芸の面白さの一つです。土の感触を楽しみ、手を動かすことに集中する時間そのものが、きっと豊かな体験になるはずです。
ぜひ、あなたにぴったりのキットを見つけて、おうち陶芸での「無」になる時間、そして作品が完成する喜びを体験してみてください。